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【海外大学院】「何とかなってる」の正体 @スウェーデン

11月中旬には初雪が降ったルンド。スウェーデンでの大学院生活が始まって早3か月が経過し、最初のコースも10月末で終了しました。そんな中、とりあえず何とかなっている、という感覚の正体を言語化してみたいと思います。

YouTubeもぜひ見てみてください!

  1. 渡航前の不安
  2. 単純に英語力が上がった TOEFL 60→104
  3. 2回目の安心感
  4. 授業の特徴がわかってくる
  5. 体系的な学び
  6. 勉強に役立つ実践的なことを教えてくれる
  7. せまく深くの学び
  8. 人を知っている
  9. おわりに

渡航前の不安

そもそも日本の大学を3月に卒業してから8月にスウェーデン渡航するまで、とにかく大学院についていけるのか、卒業できるのか、ついていけなくて心が折れてやめてしまわないか、など負の妄想をしていました。

 

というのも、以前2022-2023年にかけてスウェーデンに1年間交換留学していた時、楽しい思い出にあふれた1年でしたが、授業に関していえば「付いていけてはいなかった」というのが正直なところだったからです。とはいえ、交換留学はぶっちゃけ、1年間のお試し異文化体験みたいな側面があるのでそこまで問題ではなかったかなと思います。英語を使うことに慣れて、色んな国の人と話す体験をして、外国に住んで泊をつけられれば良し、みたいな。

 

一方、大学院となると勉強が生活のメインになってくるし、そもそも単位がとれなかったり、途中でやめてしまったりしたら、ただただ大学院留年とか中退という結果しか世間上では残りません。付いていくだけだったら、気合があればいくらでも食らいついて卒業することは可能だと思います。ただ、3年前のレベルのままで2年間勉強を続けるのは、周りとのレベルの差で2年経つ前に心が折れるんじゃないかという、「心理面」がメインの心配でした。

 

ただ今のところ、もちろん大変なことはありつつも、とりあえずは大丈夫そうです。その理由をいくつかに分けてご紹介します。

 

単純に英語力が上がった TOEFL 60→104

まず最初の原因は、単純に英語力が上がっていることにありそうです。3年前の留学前のTOEFLの点数は約60点。2年前に留学を終えて帰ってきたときに受けたときには92点。1年前に奨学金の申し込みのためにもう一度受けた時には104点になっていました。

 

結果的にTOEFLの点数的には40点以上上がっていることになります。英語のテストの点数と実際に英語が使えるかどうかは必ずしも直結はしていませんが、やはりある程度の相関関係はありそうです。特にTOEFLはアカデミックな英語の運用能力が問われるので、大学や大学院で使う英語力を測る、ある程度良い指標になると思います。

 

具体的に、英語ができるとどんな心理的負担が減るのか、を細かく説明していきます。心理的負担は私の場合、周りとの比較から生まれていました。つまりは授業中に感じることがほとんどです。逆にいうと、課題のレポート等に取り組んでいるときに英語力の不足を感じたとしても、自分で調べたり時間をかけたりしてその差を埋めることは可能なので、そこまで負担ではありません。

 

それよりも、授業中に先生が言っていることが私はわからないのにみんなは頷いたり質問したりしている、とか、グループワークで私はみんなが何言っているかわからないのに他のグループメンバーでひょいひょい進んでいく、とかそういう場面で心理的負担を感じます。

 

でも、例えばリスニング力が上がることでもちろん先生やクラスメイトが言っていることもよりわかるようになりますし、リーディング力も上がって事前リーディングの内容理解度も上がることで、授業中の先生の言っていることの理解度も上がるといったように、良い循環が起きていると思います。

 

グループワークのときもみんなが何を言っているのかがわかれば、例え積極的に話せなかったとしても、落ち着いていることができます。誰かに意見を求めるよう振られても、話についていけていれば何か言うことはできるので大丈夫と思えるのも大きいです。

 

こういったところは、だいぶ授業に行く心理的負担を減らしてくれたと感じています。

 

2回目の安心感

これは、言ってしまえば元も子もないのですが、単純に交換留学も含めて海外での学生生活が2回目、しかも同じ国の同じ大学、ということで、色々慣れているというのも大きいかなと思います。

 

クラスメイトが90%ヨーロッパ人で、全然アジア人がいなくて若干疎外感を感じるとか、ディスカッション多めの授業で日本と全然違う、とか、初めてのときは心理的負担につながっていたことも、もう知ってから挑んでいるので特にショックは受けずに済んでいます。

 

授業の特徴がわかってくる

交換留学でルンドに来た最初の頃、授業がわからな過ぎて、難しすぎて本当に戸惑いました。当時はとにかく英語力が足りないせいだと思っていましたが、それも事実ではあるけれど、それだけではなかったんだなーということが今回修士をやってみてわかったのです。

 

これは欧米なのか、スウェーデンなのか、ルンド大学なのか、もはやルンド大学社会科学部の特徴なのかは知りませんが、とにかく理論を学ぶことが重視されています。私は日本の大学であまり理論をがっつり勉強した授業の記憶がなく、最初は本当に戸惑っていました。今振り返ってみると、日本の大学では理論というより、個別のケースや事例を見ていく授業が多かったのかなと思っています。(国際関係論で例えれば、国同士の関係がどう動くのかを一般化した理論ではなく、実際の日米関係を見る、など)

 

交換留学のときはそのことに気づかず、とにかく難しいとしか思っていませんでしたが、大学院に来てみて、なぜそんなに難しく感じるのかがわかったのは本当に大きかったです。次の見出しでお話するように、1つの修士プログラムに所属して体系だった学びを得る中で自然と、「今は理論を学んでいるのか」と気づき、理論とケースの関係(理論は個別のケースを分析する手段)もわかってきて、何をやってるんだか全くわからないという状態はなくなりました。

 

体系的な学び

スウェーデンの大学院に来てみて、交換留学のときとの大きな違いは、ある特定のプログラムに属しているということです。私の場合は、社会科学の中のGlobal Studiesという修士プログラムに属しています。

 

交換留学のときは、プログラムどころか、どこの学部に属しているとかもなく、ただただ大学が交換留学生用に提供している色んな学部の色んな授業から好きに選ぶ、という感じでした。そうなると、ある時はスウェーデン文化の授業をとってたかと思えば、ある時は中東政治の授業をとってる、という様に1年間結構ばらばらな内容の授業をとっていました。

 

一方、プログラムに属していると、2年間かけて何を学ぶのかのゴールや道筋がしっかり定められていて、それに沿って必要な知識や方法を身につけられるようにプログラムが組み立てられています。Global Studiesという学問分野の中に身を置いて、その中で必要な知識を体系的に学んでいるという実感を得られていると感じます。

 

グローバル化とは何なのか、から始まり、そのあとどんどん色んな概念や理論が導入されて最初は混乱しましたが、全部グローバル化(特にグローバル化の負の側面)と関連する色んな事例を分析する代表的な概念や理論なんだ、ということが授業の回数を重ねるごとにわかっていく授業構成になっています。各週でグローバル化における違うトピックを扱っていたとしても、毎回出てくる理論や批判的理論が同じなことに気づいていくという感じです。

 

また、そのように繰り返し違うケースで同じ理論の数々を学ぶことで、実際のグローバル化の事例を分析するときに、特にどんな理論を使うことがこのプログラムでは大切にされているのか、というのもわかってきます。具体的にいうと、批判的理論(フェミニズム理論やポストコロニアル理論など、現代の社会の不平等な構造を批判する理論)が重要な視点としてプログラムで位置づけられていることがわかってきました。

 

勉強に役立つ実践的なことを教えてくれる

論文の書き方や読み方についても、私のプログラムでは1から教えてくれます。全然違う国の全然違う教育システムから来た人たちが集まるインターナショナルな修士プログラムということもあってそこは手厚いです。特に私のプログラムは、学際的プログラム、といって、社会科学の中の色んな分野を学んできた人を幅広く受け入れているプログラムなので、特に共通した論文の読み方や書き方についてのレクチャーを提供することが重視されています。

 

私も日本という遠く離れた、アカデミアのルールもきっとスウェーデンとは色々違うであろう国から来たものとして、とてもありがたく思っています。しかも学部時代は日本語で勉強していたので、英語での論文の読み方や書き方には不安しかありませんでした。

 

まだまだ課題でレポートなどを書くときも苦戦はしますが、こういった実践的授業で教えてくれることを踏まえる中で、とりあえずどんなルールに沿って書けばいいのか、どうやって書き出せばいいのかなどは見失わずにやることができています。

 

せまく深くの学び

また、私のプログラムでは一度に1つの授業しか履修しない仕組みになっており、1-2ヶ月ほどで1つの授業を集中的に終わらせるというスタイルです。週に4-5回クラスがあるのですが、全て同じ授業のものです。個人的にはこの仕組みが気に入っていて、1つのことに意識を集中できるので、より学びが深まると感じています。

 

人を知っている

また、プログラムに属しているということは、修士生活最初の1年間は基本的に同じ人たちと学ぶということです。(2年目は交換留学やインターンで世界各地に散らばったり、修論執筆期間は授業がなかったりするので、あまりプログラムの人と会う機会はありません)

 

交換留学のように授業ごとに人が変わるのではなく、ずっと同じ人たちと授業を受けていると、よりクラスメイトとの個人的なつながりも深まるので授業中やグループワークで発言するときなども心理的負担が少ないと感じます。

 

おわりに

以上、私がスウェーデンの大学院で学び始めて3ヶ月経過、とりあえず「何とかなっている」の正体を解きほぐしてみた結果です。私はこの大学で学ぶのが2回目ということもあってその点恵まれていることもあるのですが、初めて海外に行く場合であっても、ショックを受けないためにできることは次のようなことかなと思います。

英語力を上げること、欧米では自分は思ったよりマイノリティだし文化の壁は結構厚いことを知ること、ヨーロッパの大学にいるヨーロッパ人は英語ネイティブじゃなくてもペラペラすぎて自分との差に落ち込むことを覚悟しておくこと、など。

 

とってもネガティブな心の準備ばかり書いてしまいました。とはいいつつもやっぱり体験しないとどれぐらい辛いのかはわからないし、まだ経験してない未来についての不安について考えだすと、準備しても準備しても足りない気がして病むだけな気がします。だからこそ、海外に行く前はとにかく日本でしかできないことをたくさんやって、不安にとらわれすぎず今を楽しむことをおすすめします(笑)という元も子もないアドバイス

 

また、海外での生活は楽しいこともたくさんあります。楽しいことについてもまた記事を書いていきたいと思いますので、ぜひチェックしてみてください。また次の記事でお会いしましょう~

fika.hateblo.jp